波多野澄雄『幕僚たちの真珠湾』

北部仏印進駐から南部仏印進駐までの意思決定について独ソ戦の勃発から国際問題が国内問題に化けてしまう過程という考察。決して精神論での結論でなく、国力を戦力へ転換する能力を過小評価したとの考察。どれも現在に通じる問題である。最後に『愚行の世界史』を取り上げ、目的と手段が入れ替わっていることは同じであると指摘している。洋の東西を問わず繰り返される愚行であった、が、歴史の渦中にいてそれを判断することの難しさはやはり同じことである。